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研究開発と人事を大改革 世界で戦える組織へ 集中連載|日立製作所 踊り場の先へ 第3回

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「日立の樹」を将来にわたり成長させていくために、しっかりとした「根」と「幹」を育てることはできるか。日立製作所の組織改革を追う。

本誌:山田雄大

東京・国分寺市にある日立中央研究所。武蔵野の面影を残す雑木林に囲まれた敷地内で新たな研究棟の建設が進んでいる。

「協創の森」というコンセプトに合わせ、顧客との共同開発を前提にした研究設備や国際会議場を備える。来年4月、日立製作所が近年目指してきた顧客協創型の研究開発を象徴する施設として稼働する。

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日立の技術力に対する評価は高い。東京電力の元副社長は「東電の要求に粛々と応じるのが東芝。こうするべきだと別の技術的な提案をするのが日立」と評する。

一方、高い技術力を事業に結び付け、利益を上げられていたかというと必ずしもそうではなかった。7873億円の最終赤字を計上した2009年3月期から約1年、日立の経営が落ち着きを取り戻しつつあった頃、当時の役員はこんな話をしていた。「研究所が“象牙の塔”になっている。研究者がマーケット感覚を持つように改革する必要がある」。

日立が研究開発体制を大きく見直したのは15年4月のこと。中央、日立、横浜の国内3研究所を中心とした従来の体制を刷新。顧客をより意識するような三つの組織に組み替えた。

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