11月13日、日本の株式市場で村田製作所やジャパンディスプレイ(JDI)など、日系電子部品メーカー各社の株価が大きく下落した。下落要因はアップルだった。

前日の12日、アップルに顔認証センサーを供給する米メーカーが「大口顧客から出荷を大幅に減らすよう要請を受けた」と発表。それを受け、10月発売の新モデル「iPhone XR」などの販売減速懸念が市場に広がった。

一時iPhone XR発売による期待から電子部品各社の株価は上がっていたが、米メーカーの発表により一転急落。いわゆる「アップルショック」が発生した。

iPhoneの製造受託で世界ナンバーワン規模を誇る台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業にとっても影響は大きかった。米メーカーによる発表と前後して、鴻海はアップルから増産の停止要請を受けていることや、10万人規模の人員削減を検討していることが報じられた。

iPhoneには多数の日系電子部品メーカーが部品を供給している。「主要モデルで平均1300個の部品が搭載されているうち、6割以上を日本製の部品が占める。その比率はモデルチェンジごとに高まっている」(フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズの柏尾南壮ディレクター)。

アップル向け売上高が5割を占める鴻海(写真)はリストラ報道も

一時は売り上げの半分を占める

ゴールドマン・サックス証券の高山大樹マネージング・ディレクターは「電子部品メーカーにとってアップルの仕様に合わせた生産の規模は大きく、生産量が急変した場合、業績に与える影響は小さくない」と指摘する。投資家がiPhoneやスマートフォン市場の先行き懸念から電子部品各社の業績を心配するのも無理はない。

2007年の初代iPhone発売以来、日系電子部品メーカー各社の業績を牽引してきたのはiPhoneをはじめとしたスマホだった。あるメーカー関係者は「10年代前半には売上高の半分近くがアップル関連向けだったこともある」と話す。