販売台数拡大を重要視してきたゴーン氏の失脚で、日産の戦略が変化する可能性がある(撮影:大澤 誠)

日産自動車が3社連合の中で事実上の盟主であり続けてきたのは、技術力に加えて仏ルノーを大きく上回る収益力があったからだ。だが、足元で肝心の業績が揺らいでいる。11月8日に発表された2019年3月期中間決算は、連結営業利益が前年同期比25.4%減の2103億円。利益率は3.8%と近年では異例の低水準だ。通期で前期比6%減とする営業利益の計画達成も危うい。

最大の要因が北米事業の急ブレーキだ。北米は世界販売台数の4割弱を占め、直近の絶頂期だった16年3月期では営業利益のおよそ半分を稼ぎ出した。米国は16年度以降、全体需要が従来の拡大局面から反転した一方、日産は販売台数を伸ばしており、表面的には健闘しているように見えた。

だが、実態は自動車会社が販売店に渡す販売奨励金(インセンティブ)頼みで、過剰な値引きで販売台数を何とか増やしていただけだった。米調査会社のデータでは、日産の過去1年間の奨励金は平均約4500ドル(約50万円)と、ホンダの2倍以上ある。市場が縮小局面に入ったにもかかわらず、日産は台数増に邁進した。ただ、こうした奨励金頼みの販売も限界。台数が思うように伸びず販売店の在庫が膨らんだため、18年度上期は減産を余儀なくされた。