会議室に集まった「セブン&アイ・データラボ」の参加メンバー。こうした会議を月1回のペースで続けている(写真:セブン&アイ・ホールディングス)

東京・四ツ谷にあるセブン&アイ・ホールディングス本社内の大会議室。11月初旬、さまざまな業界のデータ関係担当者20~30人が一堂に会していた。データ活用に関する研究会「セブン&アイ・データラボ」の会合だ。

同研究会は今年6月、スマートフォンアプリの刷新と同時に立ち上がった。現在、14社が参加している(11月末時点)。各社のビッグデータを相互活用し、課題解決につなげていくことが目的だ。公表されている参加企業は、ANAホールディングス、NTTドコモ、ディー・エヌ・エー、東京急行電鉄、東京電力エナジーパートナー、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産、LIFULL、三井住友海上火災保険。各業界の代表的企業が顔をそろえる。

データを3階層に分ける

異業界の大手企業と組むことによって、何を狙っているのか。グループのネット戦略を統括するセブン&アイの清水健デジタル戦略部シニアオフィサーは、企業が扱うデータの種類について次のように分類する。1つめは自社グループで収集可能な顧客データ。アプリ立ち上げと前後して整備しているグループ共通ID、7iDを活用する。2つめは、信頼度は高いが、集めることが難しい他社の顧客データ。3つめは、ソーシャルメディアのつぶやきや検索データを含めた、自社やパートナー企業以外が提供するデータだ。

研究会では2つめのデータの利活用を目的としている。それによって、グループの購買情報では見えなかった客の行動を、より詳細につかむことができる可能性がある。

どういうことか。たとえば訪日外国人客の行動。セブン-イレブンの店舗では、5000円以上買い物した外国人客は免税措置が受けられる。その際にパスポートの提示が必要となるため、国籍を把握することができる。ところが、免税措置を受けない外国人客は国籍を把握することができない。ただクレジットカードの使用履歴からカードの発行会社はわかる。そうしたカード会社と連携すれば、セブンで買い物をした外国人客のおおよその国籍がわかるようになる。

鉄道会社であれば、性別、属性、時間帯別の駅の乗降客データを持っている。ある駅で朝8時台は20代の女性が多いという情報が得られたと仮定し、駅前のセブンの来店客の属性と比較する。両者にギャップがあれば、来店しない層を呼びこむための施策を考える。

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