KYBがダンパーの交換に2年かかるとしていることに、ゼネコンは危機感を募らせている(撮影:風間仁一郎)

油圧機器メーカーのKYBと川金コアテックの免震・制振用オイルダンパーに関して、検査データの改ざんが発覚してからはや1カ月。改ざんの有無が不明の製品も合わせると総数は1万本以上にも上り、再検査や正規品との交換は遅々として進まない。

渦中の2社は問題解決を優先するとして、新規のオイルダンパー受注を事実上停止した。ところが、これが新たな「動揺」を引き起こすこととなる。「オイルダンパーが供給されず、タワーマンション(タワマン)の着工が停滞するおそれがある」(東京カンテイの髙橋雅之主任研究員)ためだ。

KYBによれば、2018年3月末時点での免震・制振用オイルダンパーの国内シェアは45%。川金コアテックはシェアを公表していないものの、両社を合わせれば過半を占めるのは間違いない。対して新築タワマンへの免震・制振装置の搭載率は右肩上がり。最高階が40階以上の物件に限れば、10年以降に供給された物件の約9割にも達する。免震・制振装置がタワマンの標準設備となりつつある中、ダンパーの供給懸念は、今後の竣工計画を狂わせかねない。