週刊東洋経済 2018年12/8号
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値上がり限界、新築は大収縮
マンション老朽化の多重苦

順風満帆だった新築分譲マンションの売れ行きがおかしい。そんな話があちこちで聞こえ始めてきた。

ここ数年続いてきた価格上昇に消費者がついていけず、需要が息切れを起こし始めたのである。

デベロッパー各社はマンション在庫が増えていないことを強調する。が、後ほど明らかにするように“潜在在庫”は膨らみ、リーマンショック期並みに達しようとしている。

不思議な話ではない。首都圏マンション平均価格は気づけば平成バブル期並みとなった。2018年上半期の5962万円は1991年の5900万円を上回る。「年収の5倍が目安」とかつていわれた住宅ローンは、今や年収倍率が平均7倍を超えている。

「土地代+建設費用+販売管理費(広告費や営業経費)+業者の利益」。新築マンションの価格はこの計算式で決まる。土地代と建設費用が上昇する中、企業は値上げを余儀なくされた。一部は“合理化”で吸収しようともしたが、その分、住戸が狭くなって内装も簡素になったことは、かえって客を遠ざける要因になった。

19年10月の消費増税によってさらに購入価格が引き上がる。低金利政策の持続性も不透明になっている。20年からは都心の住宅地上空に国際線航空機の騒音がとどろくようになる。東京五輪後も人手不足で建築費高止まりが予想されるため、マンション価格は下げられそうもない。実際、大手は値引きではなく供給量を絞ることで対応している。分譲マンションはますます厳選されたエリアで、限られた人だけに提供されるものとなるだろう。

東京オリンピック後に竣工する選手村跡地マンション街の模型(撮影:尾形文繁)

悪質業者は暗躍したまま大規模修繕ラッシュ到来

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