イタリアの新政権を褒める人間など、欧州にはまずいない。欧州連合(EU)の財政ルールに刃向かったイタリアをめぐる論点はただ一つ。即時制裁か、制裁をしばらく遅らせるかのどちらかだ。そこで一つ提案がある。制裁はやめにして、イタリアにチャンスを与えてはどうだろうか。

なるほど、ポピュリスト政党「五つ星運動」と、極右「同盟」による連立政権は騒々しく、不快だ。ただ発足から半年しか経っていない点を忘れてはならない。憲法や治安が脅かされるほど過激な行動に出ているのなら別だが、どのような政権に対しても、これほど短期間で評価を下すべきではない。

同政権がやったことといえば、2019年に財政赤字をGDP(国内総生産)比で2.4%に拡大させる予算案を提出しただけだ。これは確かに前政権が約束していた財政赤字の3倍近くになるが、国際的な基準で見れば、大した赤字ではない。しかし、EUは予想どおり激高した。イタリアは財政ルールに違反した加盟国として初めて、「過剰財政赤字是正手続き(EDP)」に基づく制裁金を科される可能性が出てきている。