なかぞら・まな●1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

足元では、景況感や株価が揺らぎ、市場はリスクを意識し始めたようだ。ハイイールド(投機的格付け)債市場のみならず投資適格債市場のスプレッド(国債との利回り差)も拡大しつつあり、これは2019年半ばに向けてじわじわと進むと見ている。

理由はいくつもある。第一に、先進国の中央銀行が金融緩和を続けたことによる流動性相場は、終わりに近づいている。第二に、リーマンショック後10年の節目に当たり、信用サイクルは最終局面にあるとのおそれやバブルは必ず崩壊するとの知識から、投資家はスプレッドの縮小は限界に来たと見ている。第三に、米中貿易戦争の過熱により実体経済への下押し圧力が増している。加えて、最近のアップル株など個別株の下落は、投資家がクリスマス前にポジションの整理を行っていることだけが理由ではなく、米国トランプ政権の次なる対中報復措置を懸念している面がある。さらに、欧州をめぐる市場の地合いも悪化している。