日立製作所の収益力向上の原動力となったのが、情報・通信事業だ。コンピュータ関連機器や通信機器を、さまざまなソフトウエアと組み合わせて、企業や公共機関のシステムを構築するビジネスである。

情報・通信事業の営業利益率は5%台が長く続いていたが、2015年から顕著に上昇。18年3月期は9.4%をたたき出した。18年4〜9月期には10.2%を達成。通期計画を9.7%から10%へ上方修正している。

その秘密は何か──。

情報・通信事業などを統括する塩塚啓一副社長は、「ウルトラCは何もない。課題をリストアップして改革案を練り、それを一つひとつ実行してきただけ」と説明する。

たとえば、赤字プロジェクトの撲滅がそうだ。日立はメガバンクの勘定系のような巨大システムの構築に強みを持っている。こうした案件は開発期間が長く、携わるエンジニアの数も多い。トラブルが発生すれば開発費用は一気に膨らむ。現に、赤字案件も多数あった。プロジェクト管理を徹底することによって赤字案件を大幅に減らすことを目指した。

もっともプロジェクト管理の重要性は、それまでも散々指摘されていたし、何度も管理強化を打ち出してきた。それでも赤字案件の発生は抑えられなかった。

では、この4年間で急に成果が出ているのはなぜか。