今年春ごろに潮目が変わった

スタイルアクト社長・不動産コンサルタント 沖 有人

おき・ゆうじん●コンサルティング会社などを経て、アトラクターズ・ラボ(現スタイルアクト)設立。情報サイト「住まいサーフィン」運営(撮影:風間仁一郎)

明らかにマンションの売れ行きが悪くなったと感じたのは今年春ごろだ。首都圏の新築分譲マンションの販売総額(販売戸数×販売価格)が前年同月比で7%程度ガクっと下がった。

マンション価格が毎年上昇していったので、購入できる人のパイが限られていった。開発が活発なホテルとの競合で、駅から近いマンション好適地を仕入れられなくなり、商品として魅力的な新築物件も少なくなった。そうして積もった歪みがついに売れ行きに影響したのが今年だった。デベロッパー各社は今後、新築物件の供給を絞らざるをえなくなる。

富裕層が“億ション”を手放す動きも見られた。それを感じたのも今年春ごろだ。それまでは億ションの在庫はどこを探してもほとんど見つからないほどだったのに、今では在庫が積み上がっている状態だ。

大手の値引き幅は限定的

中堅以下のデベロッパーは値引きも行っているようで、この前などは5800万円の物件を4700万円まで値引きしたケースを見た。一方、大手の値引き幅は限定的である。体力のある大手は、値引きでイメージを悪くするよりも、供給数を絞り、じっくりと長く売る戦略を取るのではないか。

消費者の物色対象は、新築から中古へとシフトしていくだろう。すでに戸数ベースでは中古マンションは新築を超えている。このままいけば2024年には、販売総額でも中古マンションが新築を抜くと予想している。

 

コスト高が新築物件の質に影響

ブロガー「マンションマニア」管理人 星 直人

ほし・なおと●マンション批評サイト「マンションマニア」を運営。モデルルーム訪問は1000件超。2016年に会社を退職し評論家として独立(撮影:尾形文繁)
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