都内に住む30代会社員のAさんは、ダイエットのために一念発起し、自宅最寄り駅近くにできたスポーツジムに半年前から通っている。プールやスタジオを併設している大きな総合フィットネスクラブと違って、そのジムには筋力トレーニングやランニングなどのマシンしかない。しかもコンビニより多少広い程度で、夕方以降はスタッフもいない。

にもかかわらずそのジムを選んだのは、「家から近く、24時間営業で料金も安いから」。Aさんは平日夜、帰宅して夕食後にくつろいでから運動着に着替え、歩いてジムに行く。終わったら汗をかいたままの運動着で自宅に戻り、風呂に入って就寝する。「残業などで遅くなっても利用できるし、サッと行ってサッと帰れるところがいい。自分には合っている」。

こうしたマシンに特化した24時間営業の小型ジムが全国で急増し、フィットネス業界に大旋風を巻き起こしている。鉄道の駅周辺にあるビルの1フロアを借りて営業する60~80坪ほどの店舗が多く、月会費は総合型フィットネスクラブより3割前後安い。近くにあって、いつでも利用できるため、「コンビニ型ジム」や「24時間ジム」と呼ばれている。

 1 入退館時には会員ICキーで解錠する。入退館履歴はシステム上で管理される。 2 筋トレ用や有酸素運動用のマシンがずらりと並ぶ。館内は土足でも構わない。 3 スタッフがいるのは午前10時から午後7時まで。無人営業の時間帯は複数の監視カメラで店内の様子を録画し、スタッフが出勤後に映像を確認する。 4 夜間・早朝にトラブルや事故が起きた場合、壁のセキュリティボタンや非常ペンダントで通報すると、警備員が駆けつける。 5 浴槽はないが、男女別のシャワーはある(写真はエニタイムフィットネス平和島店 撮影:大澤 誠)

米国発祥のエニタイム 短期間で400店突破

現在、その24時間ジムで店舗数が断トツに多いのが「エニタイムフィットネス」だ。2002年に米国で誕生したエニタイムは「24時間年中無休」「マシン特化」「低料金」が特徴の新業態ジムとして人気を集め全米で2000店以上にまで店舗数を増やした。

この新業態を日本でも広めようと、10年に国内運営本部となる「Fast Fitness Japan(以下FFJ)」を大手フィットネスクラブの元役員・幹部らが集って設立。市場調査も兼ねて東京・調布にエニタイムの第1号店を出したところ、開業1年目で800人を超える会員が集まった。その後の六本木などの店舗も繁盛店になったため、フランチャイズ(FC)を募って本格的な多店舗化に乗り出した。