【今週の眼】三品和広 神戸大学大学院教授
みしな・かずひろ●1959年生まれ、愛知県出身。一橋大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科修士課程修了。米ハーバード大学文理大学院博士課程修了。同大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学助教授などを経て現職。著書は『戦略不全の論理』など多数。(撮影:梅谷秀司)

100年以上も続いた技術パラダイムが変わる予兆を前にして、自動車業界が浮き足立っている。この動乱は、どこに落ち着くのであろうか。

面白いことに米国『ビジネスウィーク』誌が「スマートカー」という特集を組んでいた。といっても今年の話ではない。ちょうど30年前の1988年6月13日号においてである。これを読み返してみると、現在進行形の動乱の結末が少しは見えてくる。

この特集では、ジェームズ・ボンドもうらやむスマートカーの機能として、カーナビなどの9点が列挙されていた。30年後の今、搭載車が見当たらない機能は一点もない。来るといわれた未来は確実に来たといえよう。少なくとも自動車における技術の進展は、かなりの確度をもって読めるようである。