有料会員限定

人種差別を克服するには 深刻化する米国の分断

✎ 1〜 ✎ 51 ✎ 52 ✎ 53 ✎ 最新
拡大
縮小

人種や民族、宗教を狙ったヘイトクライムが増加する米国。人々は分断という現実に戸惑いながらも、乗り越えるための方法を模索している。

銃撃事件の後、ピッツバーグのユダヤ教礼拝所には、多くの人が献花に訪れ、死者を追悼した(Jeff Swensen/Getty Images)

ペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)で起こった銃乱射事件で11人が亡くなったのは、10月下旬。全米の人々は現在でも犠牲者の死を悼んでいる。犯人は反ユダヤ的な発言を繰り返していた男で、事件には自動小銃が使われた。しかし米国の政治は憎悪をあおる動きで満ちており、このような事件が起きても驚く人はあまりいない。悲しいことだが、これが現実だ。

「乱射事件は恐ろしくて、悲しい。でも、銃乱射はもう私たちの存在の一部になっている」と、私の友人のアッシュ・シュクラは言う。アッシュはユダヤ教徒でインド系。ゲイで、しかも移民だ。

「本当は事件を知って震え上がるべきだったのだろうけど、私は違った。最近、こういう出来事が多すぎるから。一つひとつを気にしていても仕方ない」

アッシュは、ピッツバーグの事件では、たまたまユダヤ人が標的にされただけだと言う。サウスカロライナ州チャールストンでは昨年、教会で礼拝中の黒人9人が白人至上主義者の青年に射殺される事件が起きている。2年前には同性愛者が集まるフロリダ州オーランドのナイトクラブで、49人が若者によって射殺された。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内