日本人が当たり前の権利として享受する日本の公的医療保険制度は、2000年に世界保健機関から世界最高の評価を受けており、OECD加盟国中でもトップレベルの充実度である。

いざとなったら、公的医療制度を利用できるにもかかわらず、多くの日本人は「安心料のつもり」で、勧められるがまま終身の民間生命保険や医療保険、がん保険等に加入している。世帯の78.6%が民間保険に加入し、世帯当たりの年間払込保険料は37万円、二十数年払えば1000万円にも届く。

11月は毎年「生命保険月」とされている。保険業界関係者にとっては営業強化を余儀なくされた時期だ。この月の営業ノルマ達成のために顧客リストを数カ月前から温めるという話も耳にする。一説には11月に収穫したコメの代金を受け取る農家を対象に、生命保険会社がプッシュ型営業をしたのが始まりだといわれている。企業都合の営業慣習が戦後70年経った今も残っているから驚きだ。