たかい・ひろゆき●神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。非鉄金属本部で17年間、うち7年間は英国ロンドンで貴金属や、銅・アルミなどベースメタルの取引を担当。その後、金融事業本部長やエネルギー本部長を経て、住友商事グローバルリサーチ社長。2018年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

6月2日号の本コラムで筆者は「想定外の原油高をどう見るか」と題し、年後半には需要減退と投機筋の手仕舞いから弱含みの展開になると予想した。当時は世界的な需要の堅調に加え、米国の核合意離脱でイランが減産するとの思惑と、ベネズエラの予期せぬ生産障害が重なり、先物での思惑買いがブレント原油相場を1バレル当たり80ドル超まで押し上げていた。

あれから5カ月、原油相場は8月末に一度70ドルまで調整した後、10月初めには85ドル超まで再上昇するも、そこから急落し、足元(11月15日現在)で65ドルをつけている。年初も65ドル前後だったので、5月の80ドルと10月の85ドルの、大小二つのコブを持つラクダの背中のような軌跡をたどって出発点に戻ったことになる。

結果的に筆者の相場観は正しかったが、10月の山は想定外であった。油価は10月からはほぼ一直線に下落し、11月には12日間連続で下落するという異常事態となった。