警視庁は11月、味の素スタジアムでAIの実証実験を行った(Koki Nagahama/Getty Images)

トム・クルーズが主演し、スティーヴン・スピルバーグが監督した2002年公開のハリウッド映画『マイノリティ・リポート』。未来の警察が舞台の同作品の中で、こんな一幕がある。

「24分13秒後の午前8時4分に殺人が発生する。被害者はサラ・マークスとドナルド・ドゥービンのカップル。加害者はハワード・マークスという白人男性。犯行場所は不明」

予知能力者「プリコグ」が、近く起きるであろう殺人事件を予告するシーンだ。トム・クルーズが演じる犯罪予防局の刑事は事件の直前に現場に赴き、白人男性による殺人を阻止する。プリコグを使った犯罪予知システムにより、「2054年のワシントンDCの殺人発生率はゼロになった」という世界を映画は描いている。

未来に起こる犯罪を予言する──。こんなSFのような取り組みが、現代の先端テクノロジーである人工知能(AI)によって、実現に向かいつつある。

東京都の治安を担う警視庁は4月、「犯罪・交通事象・警備事象の予測におけるICT活用の在り方に関する提言書」をまとめた。現場の警官の経験や勘に頼っていた捜査を、AIによるデータ活用にシフトする狙いが背景にある。提言書の中では、「データを使った犯罪の予測」「交通事故の予測」「不審者の発見」という3点に重点を置き、今後の活用を模索する方針を示した。

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