中国が推進する「一帯一路」。だがマレーシアなど東南アジア諸国が関連プロジェクトを取り消している。

すずき・あやめ●1977年生まれ。東京大学総合文化研究科で博士号取得。福岡女子大学などを経て現職。著書に『〈民主政治〉の自由と秩序:マレーシア政治体制論の再構築』など。

──92歳で政治の表舞台に復帰したマレーシアのマハティール首相が、インフラなど中国関連のプロジェクトの中止を発表しています。

これは、中国と距離を置こうとしているわけではない。新政権は1970年代初期以降の「非同盟・中立」を堅持している。冷戦期、マレーシアは東西両陣営と良好な関係を築く外交方針を打ち立てた。米中対峙の時代でも不変だ。

──マハティール首相は同国の「東海岸鉄道」(ECRL)計画など、中国主導の計画の中止も発表しました。

それでも中国とのプロジェクトは十数件が計画・進行中だ。中止されたのは、高額な建設費や実施遅滞、マネーロンダリング疑惑などナジブ前政権による不正が疑われているものばかりだ。

──反中国という姿勢からの中止ではないということですか。