値上げが相次ぐ中、値下げできる企業は“勝ち組”といえそうだが、そうでもない。圧倒的な安さを武器に「デフレ時代の優等生」として成長した、アパレル小売り大手しまむらが迷走している。

しまむら

(撮影:梅谷秀司)

しまむらは3年ほど前、単価が比較的高いPB(プライベートブランド)をコア商品にする戦略へ舵を切った。その象徴が、年販100万本を超す大ヒットを記録した「裏地あったかパンツ」だ。重ねばきがいらない防寒性の高さを売りに、定価3900円と通常パンツの“しまむら価格”1900円の倍以上で販売した。

その後も肌着やジーパンなどのベーシック商品を軸にPBを投入した。だが、裏地あったかパンツほどのヒットが生まれない。売り上げが思うように伸びず、価格重視の販促に戻らざるをえなかった。

今年も激安の大型セールを連発。前述の「65円靴下」などインパクトのあるチラシを配布した。「安さを前面に打ち出したB3サイズくらいの大きな紙チラシを配れば、店に来てもらえる」(同社幹部)という経験則があったからだ。