ゆあさ・まこと●1969年生まれ。東京大学卒業。95年からホームレスの支援活動を開始。2008年「年越し派遣村」村長、09〜12年民主党政権で内閣府参与。14年から法政大学教授。(撮影:今井康一)

自己責任論、競争原理主義は、2000年代までは確かに幅を利かせていた。だが、その後の社会の雰囲気は、自分の身は自分で助けるべきとする“自助”から、人と人とが支え合う“共助”へと移った。

年越し派遣村は貧困問題への注目を高め、そのムードの移行に一役買ったかもしれないが、やはり東日本大震災の影響が大きい。人を蹴落としてわが道を行くよりも、人と寄り添い、絆を深めながら生きることの価値が、震災という悲惨な体験を機に再認識されたのだ。

体験型のツーリズムが人気となっていること。高齢者らが集うコミュニティカフェが広がっていること。CDは売れなくても音楽フェスは活況であること。日本社会の“共助化”は現在、あちらこちらで目にすることができる。