イラスト:河南好美

「人生100年時代」という言葉をよく耳にする。今世紀に生まれた若者や子どもたちの寿命が100歳を超えるらしい、ということはご存じだろう。「中高年のわれわれにとってはあまり縁のなさそうな話」と思っていないだろうか。

試しに会社の同僚や同世代の友人・知人に、この質問をしてみてほしい。「きみは何歳まで生きられそう?」「何歳ぐらいを人生のゴールに設定しているの?」

おそらく年配の人ほど、低い年齢を答えるはずである。その理由は、平均寿命の推移を見ればわかる。今年60歳になった人は、1980年前後に社会人としてのスタートを切った。社会人になれば、それなりの人生設計をする必要に迫られる。そのとき、いちばん参考になるのが平均寿命。当時の男性の平均寿命は約73歳だ。

社会人1年生だった頃の彼らは、「自分の人生はあと50年か……!」と思ったのではないだろうか。まだ55歳が定年の時代で、「33年働いて、その後の余生は18年」と皮算用をしていたかもしれない。

同じように現在50歳の人なら、「自分の寿命は76歳ぐらい」と考えていただろうし、40歳の人なら「77歳ぐらいかな」と思っていたはずだ。

ところが2017年における平均寿命は、男性が約81.1歳、女性が約87.3歳。就職時に想定していたゴールよりも、かなり延びている。「自分には持病があるから」「若い頃、不摂生していたから」「親が早死にだったから」などの理由をつけて、当初想定していたゴールを正当化しようとする人もいるかもしれない。

平均寿命のカラクリと寿命延長のトレンド