生命保険は最小限に 日本の社会保障は充実

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おカネの積み上がりを阻害せず目減りを最小限に抑える保険の用い方が人生100年時代の新常識となる。

(makaron* / PIXTA)

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現在、高齢者はかなりの生命保険料を民間の生命保険会社に支払っている。1世帯が1年間に払う平均の保険料は60代で約39万円、70代で約33万円である。50歳から79歳までの保険料は総額で1000万円を超える。

長寿になればなるほど、老後資金は総額でこれまで以上にかさむことになる。長期にわたる多額の民間生保の保険料負担は、老後不安の解消どころか老後の生活を追い詰めることになりかねない。

営業職員に勧められるままに民間の生保に加入した人も多いだろう。だが、長寿の時代こそ、根拠の不明瞭な安心感ではなく、家計の危機管理策としての具体的な必要性を踏まえて、民間保険への加入や解約を検討するべきだ。

保険は深刻な経済的ダメージを回避するための有力な手段だが、民間保険を用いることがつねに合理的とは限らない。公的保障が充実していれば、民間保険の必要性が薄れるからだ。

保険加入で補完すべきは モノ・賠償リスク

人生におけるリスクを「モノと賠償」「ヒト」の二つに分類。「他人にケガを負わせた」「ひき逃げ被害に遭った」など、さまざまなケースごとに公的保障の充実度合いを点検したのが下の表だ。

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