「2020年までに女性管理職30%」の目標を掲げたのは、実は安倍晋三首相ではない。これは03年に当時首相だった小泉純一郎氏が打ち出した目標だが、安倍政権は女性登用が遅々として進まないため、30%だった政府目標を民間で15%、官庁で7%へと大幅に引き下げている。

日本が女性の管理職比率を欧米並みの30〜40%に近づければ、キャリア志向の女性が喜ぶだけではない。女性登用は日本の経済成長にとっても不可欠だ。山口一男・米シカゴ大学教授の研究によれば、管理職の男女格差を本気で減らそうとしている企業は、結果的に生産性も上がっているという。

女性に「仕事か家族か」の二者択一を迫る日本企業の伝統は、女性の晩婚化や非婚化につながり、少子化の一因ともなってきた。熊沢誠・甲南大学名誉教授の著書『新編・日本の労働者像』では、課長以上の女性管理職は約6割が独身で、既婚者でも3人に2人は子どもがいないという旧労働省の1990年調査が紹介されている。