ささき・とおる●2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

貿易黒字の減少が目立ってきている。国際収支ベースで見た今年1~9月の貿易収支は1.9兆円の黒字にとどまり、前年同期の3.8兆円から半減している。原因はエネルギー価格の上昇を主因とした輸入の増加だが、その他の品目の輸入額も増加が目立つ。JPモルガンでは今年の貿易収支は2.3兆円と、昨年の5.0兆円から半分以下に落ち込むと予想している。また、足元で原油価格は下落しているが、エネルギー輸入以外の変動も考慮し、来年もさらに1.4兆円まで黒字額が減少すると予想する。

こうした貿易収支の予想に加え、米国の利上げを背景に、日米10年国債の金利差が来年末までに現状レベルから0.03~0.40%ポイント拡大することを想定して、貿易収支と日米10年金利差を説明変数にしたモデルで試算すると、来年末のドル円相場のフェアバリューは1ドル=123円近くになる。