ホンダの「EveryGo」(左)と日産の「e-シェアモビ」(右)。2社ともカーシェアに売れ筋車種を投入している

国内の自動車メーカー各社が、カーシェアリング事業に本腰を入れ始めた。ホンダや日産自動車に続き、トヨタ自動車も販売店を拠点に参入する。マイカーを前提とした「売り切り」のビジネスモデルから脱却し、シェアリング需要の高まりに乗り遅れまいとの動きだ。

新車販売の呼び水に

「乗ってみて購入に至った事例がかなりある。新車を購入する動機づけになることを狙っている」。2017年11月にカーシェアサービス「EveryGo(エブリゴー)」を始めたホンダの担当者は、こう言い切る。主力の軽自動車「N-BOX」や小型車「フィット」などを中心に約100拠点(9月末時点)を展開。都会のマイカー保有率が比較的低いエリアに重点的に配置し、車を持たない若年層らとの接点を作り出そうとの戦略だ。

今年1月に「e-シェアモビ」を始めた日産も狙いはそう違わない。扱うのは電気自動車(EV)「リーフ」と、エンジンで発電してモーターで駆動する「ノートe-POWER」といった日産が販売戦略の中核に置く電動車に限定。将来の自動運転車による無人サービスに向けたノウハウの蓄積が第一の目的ではある。担当者は「日産の電動車に気軽に触れてもらい、最終的に新車を買ってもらえればいい」とも話し、カーシェアによる事実上の試乗機会の提供も狙いの一つだ。

料金は2社とも短時間の利用では15分200円(ホンダは10月から平日のみに設定)。長時間では割安なパック料金を設定する。ホンダは1キロメートル当たり15円の距離料金、日産は月額1000円の基本料がかかる。

ホンダ、日産とも、対象車種の中でも先進安全機能などの装備が充実した上位グレードを使用し、利用者の新車購買意欲を高めようとする工夫も共通する。カーシェア利用が購入にどの程度つながったか、両社はデータを公表していないが、新車販売への一定の貢献をもくろんでいることは明らかだ。