華麗に海外で活躍するイメージが強いが、実は社内業務が多い(イラスト:北沢バンビ)

高給でグローバルに活躍する、勝ち組サラリーマン──。「商社パーソン」と聞けば、多くの人がこのような印象を抱くのではないか。実際、総合職の年収は30歳前に1000万円を超えるなど高水準だ。一方、企業体質は「ザ・日本企業」で遅れているという声もある。現役社員やOB・OGに、商社の仕事の実情について本音を語ってもらった。(取材を基に座談会形式で構成しました)

[参加者PROFILE]
Aさん…財閥系商社でバリバリ働く30代男性。インフラ部門で投資を担当
Bさん…非財閥系商社の若手。忙しい部署で働き方改革に乗り遅れた
Cさん…上司のパワハラにうんざりしてコンサル会社に転職した30代女性
Dさん…新卒で非財閥系商社に入社した新入社員。体力が売りの体育会系
Eさん…本当にやりたいことを求めて商社を退職。30代の女性起業家

──まず自己紹介をお願いします。

A財閥系商社のインフラ部門で10年以上、国内外の投資案件を管理している。大きな組織なので、チームで動くことが多い。

Bグローバルな仕事がしたくて商社を志望したが、非財閥系商社のリテール部門に配属された。数年間、小口顧客への卸から経営管理までを担当してきた。

C10年ほど前に非財閥系商社に入社し、資源案件の予算管理をしていた。ただ資源価格が暴落してから、残業が増え上司のパワハラが悪化。数年前に退職し、今はコンサルティング企業で働いている。

D今年4月に入社して、現場に配属されている。大学時代は体育会の活動に没頭していた。想像していたよりも、上司が優しく働きやすいという印象だ。

E:リーマンショック前に財閥系商社へ入社した。当時は資源市況が高騰していて、入社直後にものすごい額のボーナスがもらえた。鉄鋼会社への営業や南米の案件を担当して仕事は充実していたが、仕事に当事者意識が持てなくなり、起業を決断した。

──外からのイメージと実際の仕事内容とにギャップはありますか?

A財閥系だからかもしれないが、若手の間は雑用が当然という文化がある。それに、巨大な組織だからリスクや予算の管理などの社内業務がやたらと多い。外部との商売と社内でパソコンに向かっているのとで時間の比率は8対2ぐらいかとイメージしていたが、実際には5対5だった。

C私は財閥系じゃないからか、若手のときから一人で大きな案件を担当できた(笑)。ただ、海外での仕事に興味があって資源部門へ希望どおり配属されたのに、海外出張には一度しか行けなかった。古い案件で操業が安定していると、チャンスが回ってこない人もいる。

Bリテール担当なので早い年次から中小企業の経営者と顔を合わせることが多い。ただ、そういうところの経営者は柄が悪く、声を荒らげるような人も少なくない。思ったよりも泥臭い営業が多い。

E:商社の仕事はスピード感があってグローバルな印象があるが、実際は先人から引き継いだ既存案件の管理が大半。海を渡って新規ビジネスを立ち上げるなんて、ほんの一部の人にしかできない。

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