「狂気とは、同じことを繰り返しながら、違う結果を期待すること」──。これはアインシュタインが言ったとされる格言だが、ここから北朝鮮戦略のヒントを得ているように見えるのがトランプ米大統領だ。同氏は過去の政権がやってきたことをことごとく否定し、北朝鮮との交渉に直接手を突っ込むようになっている。国務長官はもはや、トランプ氏と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長との会談を調整する裏方でしかない。

問題は、トランプ氏がこの独特なやり方で結果を出せているのかどうかだ。2回目の米朝首脳会談は数カ月以内に実施されるとみられており、トランプ外交の成果も遠からずはっきりしてくるだろう。

非核化交渉に必要な知識はマスターしたと、トランプ氏は胸を張っている。今年3月には正恩氏と喜んで会談すると唐突に発表。以来、交渉の成果を自画自賛し続け、6月に初の米朝首脳会談を終えた後には「もはや北朝鮮の核の脅威はなくなった」と宣言した。