もりた・ちょうたろう●慶応義塾大学経済学部卒業。日興リサーチセンター、日興ソロモン・スミス・バーニー証券、ドイツ証券、バークレイズ証券を経て2013年8月から現職。日本国債市場での経験は通算で20年超。グローバルな経済、財政政策の分析などマクロ的アプローチに特色。(撮影:大澤 誠)

世界的に株価が調整局面に入っている。

株価が調整されると、「この動きはこういう理由で起きた」といった後付け的な解釈がさまざまに示されるものである。もちろん、それらのいくつかは正鵠を射ているが、そうでないものもある。市場のフォーキャスターが留意すべきことの一つは、予想外の市場変動が起きた際に、無理に理由を当てはめるような後講釈をできるだけ回避して、市場の流れを見ることである。

今回、世界的な株価調整の起点となった米国株の急落は、今年の2月に続くもので、直前に長期金利が上昇していたという点で確かに2月のケースと酷似している。そのため、2月と同様の構図を想定し、今回も金融政策の緩やかな引き締め過程でのある種の「ガス抜き」なのだとの解釈にもなりやすい。つまり、前回と同様に、今後は米国の株価は速やかに回復していくだろうとの見方が出てくる。しかし、こういった見方は、後付け的な解釈に陥っていないだろうか。