「反移民感情の軟化」が英国の新たな常識になりつつある。英紙フィナンシャル・タイムズは、欧州連合(EU)離脱を前に英国の反移民感情が急速にしぼんでいると伝えた。英政府の諮問機関も最近、移民流入への国民の懸念が後退していく一方で政府は移民規制の強化に動いている可能性がある、と報告した。

これは驚くべき展開だ。増え続ける移民への不満をバネにEU離脱派が国民投票に勝利してまだ2年と少ししか経っていない。英国は今もEUの一員であり、EU加盟国の国民は英国との間を自由に行き来している。移民の数は現在でも歴史的高水準にある。

それでも世論調査に変化が出ているのは、紛れもない事実だ。移民に好意的な回答が増え、「移民問題」を最重要課題と考える人も減っている。しかも、こうした傾向はEU残留派・離脱派の別にかかわらず、広い範囲に及んでいる。

ブレグジットに火をつけた国民世論と、最近の世論調査結果が乖離してきているのはなぜか。われわれ英王立経済社会研究所が行った調査では、移民問題への理解度が向上したことがまず挙げられる。