業界の垣根を越えた自動車市場の戦いに家電大手も名乗りを上げている。代表格が国内家電大手のソニーとパナソニックだ。

ソニー|自動運転の命綱、センサーを拡販

ソニーが力を入れるのは、自動運転車の「目」、センサーだ。スマートフォンのカメラ向けを中心に世界シェア5割超(IHSマークイット調べ)を持つ半導体「CMOSイメージセンサー」を車載分野に応用。道路標識、歩行者などの識別に必須の車載用のカメラを手掛けるティア1(1次請けメーカー)向けに売り込んでいる。

今年1月に北米で開催されたCES(国際家電見本市)では、トヨタ自動車、日産自動車、韓国の現代自動車、起亜自動車の計4社と車載センサーで協業関係にあると発表。吉田憲一郎社長は中期経営計画の中で、車載向けセンサーを「2020年代のソニーの社会貢献の柱」と位置づけた。

ただ、16年に専門部署ができたばかりのソニーの車載向けシェアは5%。米オン・セミコンダクター、米オムニビジョン・テクノロジーズの2社が市場の8割近くを握る。採用実績を重んじる自動車業界で、新参者のソニーが勝つのは容易ではない。

そこでソニーは、センサーの直接の納入先となるティア1ではなく、完成車メーカーに直接営業をかける戦略を取っている。

車載半導体を担当する春田勉・副事業部長は「従来、完成車メーカーは2次請けに当たる半導体メーカーに関心を持っていなかったが、ここ2年で流れが変わった。当社の製品で可能なことを提案すると、前のめりで聞いてくれる」と語る。実際、昨年発売されたレクサス「LS」の新型に搭載されたデンソー製の複眼カメラにソニーのセンサーが初採用されるなど、成果は出ている。

レクサス「LS」に搭載されているデンソー製2眼カメラには、ソニーの画像センサーが採用された。1月には日産自動車などとの提携も発表(上写真撮影:尾形文繁)(注:画像センサーの写真はイメージ)
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