三井化学|完成車の開発動向をより早くつかむ

成長3領域の1つにモビリティ事業を位置づける三井化学。得意とするプラスチック樹脂のPPコンパウンドの生産能力拡大と並行し、買収による新たな展開も進める。

三井化学 社長 淡輪 敏(たんのわ・つとむ)1951年生まれ。76年入社。常務執行役員 基礎化学品事業本部長などを経て、2014年4月から現職(撮影:尾形文繁)

──化学メーカーの立場で自動車の変化をどうとらえていますか。

プラグインハイブリッド車や電気自動車(EV)、燃料電池車などが次世代車に挙げられるが、いずれも航続距離の課題は軽量化がカギを握る。現在、自動車の重量比でプラスチックは10%。動力源がどう変わろうと樹脂化の流れは続くというのが基本認識だ。

車の技術革新が進む中、センシング(感知)材料や制振、静音化など新たなニーズはいくつもあると見ている。

──軽量化で期待するものは?

PP樹脂に繊維状のガラスを混ぜて強度を高めた当社の「モストロンL」は、金属代替で約3割の軽量化ができるので有効だ。これは2013年から日産自動車のSUV「エクストレイル」のバックドアの部材に採用された。自動車メーカーの反応もよく手応えもあるので、19年に日本と米国に新拠点を設置し、20年に中国拠点も検討している。世界シェアトップクラス(20%超)のPPコンパウンドは20年に欧州に生産拠点を作る。これで従来の北米やアジアに加えて世界中で販売することができる。

密接な関係をつくる

──今年初めに自動車向けの開発支援を手掛けるアークを買収しました。

われわれは部材の提供を続けてきたが、最終的に自動車部品は金型で量産される。そうした部分まで一体的にやれるように、14年に共和工業という金型メーカーを買収した。さらに今回の買収で設計や解析、試作までをカバーする。これで自動車メーカーと密接につながり、開発の方向性をつかめる。

──昨年4月に研究開発本部の中に新設したモビリティデベロップメントセンターの狙いは?