規制緩和に明け暮れる一方、格差や貧困が広がっていったのも平成経済の特徴だ。2008年に「年越し派遣村」村長を務めた貧困問題の代表的論客、湯浅誠氏が振り返る。

ゆあさ・まこと●1969年生まれ。東京大学卒業。95年からホームレスの支援活動を開始。2008年「年越し派遣村」村長、09〜12年民主党政権で内閣府参与。14年から法政大学教授。(撮影:今井康一)

貧困問題という視点で平成を振り返ると、初めの20年と後ろの10年に時代を区分できるように思う。初めの20年は、日本に貧困という問題自体が存在しないとされていた時期だった。政府、そして社会全体の認識として。

私は1995年からホームレス支援を始めたのだが、日増しに渋谷の野宿者の数が増えているのを目の当たりにして「これはとんでもないことが起きているぞ」と感じ始めていた。当初は100人ぐらいだった渋谷の野宿者が、4年後の99年には600人を数えるようになった。