観光客であふれるブルージュの旧市街。オーバーツーリズムは世界各国に共通の問題だ

人人人……。ブルージュの旧市街にあるマルクト広場は観光客であふれ返っていた。1ヘクタールほどの広場で中世の気分に浸るというもくろみは崩れた。どちらかといえば東京ディズニーリゾートの喧噪に近い。

条件が悪かった。2018年8月の土曜日の午後早い時間。ツーリストが最も集中するときに足を踏み入れてしまったわけだ。

ベルギーのフランドル地方に位置するブルージュは、9世紀に毛織物業で栄え、13世紀にはハンザ同盟の貿易拠点として欧州一の繁栄を極めた。だがその後衰勢に向かったことによって中世ヨーロッパの街並みが残されたことが観光地としての魅力となり、「天井のない美術館」「北のベネチア」と呼ばれるようになった。

だが、石畳の路地は、反対側から歩いてくる人を避けることに集中しなければならず、運河を行き交うボートに乗ろうにも、長蛇の列で並ぶ気が起こらない。