週刊東洋経済 2018年11/3号
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高齢者だけの問題ではない 現役世代を襲う孤独の恐怖

年間約4.7兆円の損失──。これは英国で試算された、「孤独」が同国経済に与える影響額だ。人口約6500万人のうち、900万人以上が孤独を感じているとされる。英国政府は「孤独担当相(Minister for Loneliness)」というポストを新設し、対策に乗り出した。それだけ危機感が強いということだ。

英国だけではなく、孤独対策は目下、世界の共通課題になっている。孤独が健康に大きな影響を及ぼすことが、多くの研究から明らかになっているからだ。

米ブリガムヤング大学のジュリアン・ホルトランスタッド教授(心理学)の分析によると、社会的つながりが強い人は、そうでない人に比べて生存率が50%高いという。さらに、アルコールを飲みすぎない、太りすぎないことなどよりも、社会的なつながりが強いことのほうが長寿に強い影響を与えることも判明した。また孤独は、たばこを1日15本吸うのと同程度の健康への悪影響があるという。放置すれば個人の健康だけでなく、英国での試算のように経済への悪影響も大きい。

日本もひとごとではないどころか、このままだと孤独大国になる可能性が大きい。まず認識すべきは、孤独に陥る大きな要因といえる単身世帯の増加だ。

国立社会保障・人口問題研究所によれば、全世帯に占める単身世帯の比率は2015年の34.5%から40年には39.3%まで上昇する見通し。つまり2.5世帯に1世帯は単身化するのだ。

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