靖国神社の宮司を電撃退任することになった小堀邦夫氏(撮影は2013年)(共同通信)

靖国神社の小堀邦夫宮司が、10月いっぱいで退任する。6月の内部会議で天皇を批判する発言をしたことの責任を取ったというが、同神社では2月末に前任の徳川康久氏が退いたばかり。75歳の定年を待たない途中退任が8カ月の間に相次ぐという極めて異例の事態だ。

小堀氏の発言は10月1日、一部週刊誌の報道で明らかになった。発言の場は、極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判で有罪判決を受けた東条英機元首相らA級戦犯を合祀した問題などについて神社の考えを掘り下げるために自ら立ち上げた、教学研究委員会の初会合の席上だった。

1975年以降、天皇の参拝が途絶えている一方、現天皇が慰霊の旅を続けてきたことに関連して「陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていく」「今上陛下は靖国神社を潰そうとしている」などと述べたという。

週刊誌の取材を受けた後の靖国神社側の動きは早かった。発売前に水面下で後任選びが進められ、5日には退任を決断した小堀氏が宮内庁に出向いて謝罪、10日に退任の意向とその理由を発表した。

A級戦犯合祀の影響をめぐる小堀氏の発言が報じられ、退任が決定的になったのがこの10月というのは、奇遇といえば奇遇だ。松平永芳宮司(当時)が東条氏らを合祀したのがちょうど40年前の78年10月17日だからだ。

中韓両国の反発招く