有料会員限定

行き先を失った廃プラが日本にあふれ返る 中国がゴミ輸入に待った

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
拡大
縮小

プラスチックゴミの問題は、海洋汚染だけではない。今年1月、中国が廃棄プラスチックの輸入禁止措置を発動。日本を含む先進国は、行き先を失った廃プラの処理問題に直面している。

中国はこれまで先進国のゴミ問題を一手に引き受けてきた。環境規制が厳しい欧米や日本などから年700万トン超の廃プラ(世界の輸出の約半分、経由地の香港も含む)を受け入れ、安い人件費で分別・リサイクルし、再生資源として使ってきたのだ。

ただ経済成長に伴い、中国国内でのゴミ排出量が増加。また輸入された廃プラの中から、違法な有害物質が含まれたゴミが発見されるなど問題も多発。輸入プラが「洋ゴミ」と呼ばれるなど、国内での環境意識の高まりを受け、中国政府は昨年7月に再生資源輸入禁止計画をWTO(世界貿易機関)に通知。今年1月に、廃プラの輸入禁止措置「ナショナルソード(国門利剣)」を発動した。

輸入禁止の対象となったのは、廃プラや古紙、繊維系廃棄物など24品目。中でも廃プラで対象となった8品目は、PETボトルや発泡スチロールなど生活由来のもので影響は大きい。EU(欧州連合)が域内で使い捨てプラへの規制案を打ち出すなど、各国は自国での廃棄物処分と削減を迫られることになった。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内