イラスト:関 祐子

仕事が長続きせず、そのたびに「ひきこもり」を繰り返す人や、社会に戻ることができず、ひきこもらざるをえなくなった人がいる。そんな社会的孤立に陥っている人たちの中でも、深刻さを増しているのが、「8050(はちまるごーまる)問題」だ。これは、80代の親が収入のない50代の子どもの面倒を見ているケースが増えている問題のことで、親子共倒れの事態も顕在化している。

親が亡くなった後、一人残された子どもは孤立し、どう生きていけばいいのかわからず、親の遺体を自宅内に放置した──。

このような死体遺棄の容疑で子が逮捕されるという衝撃的な事件が、今年に入って長崎市、福岡県福津市で相次いで起こった。札幌市では亡くなった80代の母親の後を追うようにして、50代の娘が衰弱死している。母親は「他人には頼りたくない」と支援の申し出を拒んでいた。部屋には9万円ほどの現金が残されていたが、一人残された娘はそれを使って生きることができなかったとみられる。

いずれのケースも、子どもはひきこもり状態にあって、親の年金だけで生活していた。こうした世帯の親子共倒れなどの悲劇は後を絶たない。

行政の対応も遅れている。現在の国のひきこもり支援の法的根拠は、2015年度に施行された生活困窮者自立支援法だ。ただ、年金で生活を送っている家庭は、実際は支援対象であるにもかかわらず、「対象外」と言われることがある。