イラスト:関 祐子

健康や幸福度を決定する最大の要因は人と人とのつながりだ。これは多くの医学的研究から明らかになっている。今年7月に発表された東京都健康長寿医療センター研究所の調査では、日常生活に問題のない健康な高齢者でも、社会的孤立状態にあり閉じこもり傾向のある人は、そうではない人に比べ6年後の死亡率が2.2倍高いことが明らかになった。

また孤独が長期化すると、人は不機嫌になり、自己中心的に、攻撃的になりやすい、と多くの研究が示唆している。生涯未婚率がうなぎ上りで単身世帯も増加する中、長期的に孤独な人が増えれば、日本は不寛容な社会へと変質していく可能性がある。

孤独が生まれる要因となっているものは大きく分けて二つある。一つはコミュニティの弱さだ。

日本では都市化や核家族化などにより、「地縁」「血縁」といった昔からのセーフティネットが消滅しつつある。本来その受け皿となるのは、家族以外のネットワークやボランティア、地域活動への参加など、社会や地域での人々の信頼関係や結び付きである「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」なのだが、日本は極端にそれが乏しい。英レガタム研究所の2017年版のランキングによると、日本は149カ国・地域中101位。先進国では最低だ。