歌手の安室奈美恵さんが引退した9月16日。多数のファンが渋谷の「SHIBUYA109」に集まり、彼女の引退を惜しんだ。1990年代、ミニスカートに厚底ブーツという安室さんのファッションスタイルをまねた「アムラー」が、こぞって買い物に訪れたのが109だった。「高校生のときは学校帰りに109に通って、流行についていこうと必死だった」。都内で働く30代の女性はこう懐かしむ。

昔から多くの若者にとって、“ファッションの聖地”だった渋谷。そのきっかけとなったのが、70年代の渋谷パルコの開業だ。最先端の「DCブランド」を集め、感度の高い若者がこぞって公園通りを訪れた。周辺の神南エリアにはビームスなどのセレクトショップが路面店を出し、流行の発信地に。80年代後半にはアメリカンカジュアルを軸としたスタイルが「渋カジ」として流行。さらにその後は、アムラーやコギャルなど109発のファッションが女子高校生たちの間で大流行した。

渋谷で進む再開発 メインは賃貸オフィス

その渋谷の街が今、変化の真っただ中にある。街中や商業ビルに出店していたアパレル店は徐々に姿を消し、代わりにオフィスや飲食店が増加。さらに東急グループなどによる複数の再開発が進行中で、それらの完成後には一段と「脱ファッション」が進む。