澄んだ空気。緑深い山々。草の上には、大きなキャンバスにのびのびと絵を描く子ども(下写真)。ここは長野県辰野町である。東京・新宿からJR中央本線で約3時間。「ホタルの名所」「日本の地理的中心」として知られる人口約2万人の町だ。

「子どもの教育を考えて移住しました」。そう話すのは2年前に東京から辰野町に移り住んだ三村美香子さん。東京でIT系の会社を経営していたが、「子どもに自然を体験させたい。先生との距離が近い学校で学ばせたい」と考え、移住を決断した。現在は宿泊施設の運営や有機農業を行っている。息子の三村大悟くん(9)は得意な絵を存分に楽しむ環境を得た。

東京から長野県辰野町に移住した三村さん。大自然の中で絵を描くのは息子の大悟くん。都心ではできない体験だ

「田舎で子育て」の魅力 30代以下に移住志向

「冒険できる裏山があったり、川遊びができたり。自分で野菜を育てることもできる」

田舎で子育てをする魅力についてそう話すのは、同町に12年前に夫婦で移住し、2歳半になる子どもを育てている広瀬美由紀さん。「神奈川県に住んでいたときはデパートの装飾で季節の移り変わりを感じていた。こちらに来てからは、周りの景色が季節ごとにガラッと変わるので、全身で四季を感じる」と話す。

美しい里山に一目ぼれして神奈川県から移住。近所の人が野菜などをたくさんお裾分けしてくれるのがうれしい

今、こうした子育て世代や20~30代の若年層が、地方移住への関心を強めている。