イラスト:河南好美

10月9日、経団連が「採用に関する指針」を策定しないことを発表した。今後、経団連主導の就職活動ルールは廃止されることになる。ただ、今の大学3年生に当たる2020年卒生までは現行の経団連ルールが適用される。現2年生の就活についても、政府が同じ日程で企業側に要請する方針だ。では、今の就活の環境や日程はどうなっているのか。まずはその実態から見ていこう。

「売り手市場」「超売り手市場」という言葉が頻出するとおり、就活環境は就活生に有利な状況だ。企業側からすれば、思うようには人が集まらない状況が続いている。

熾烈な学生獲得競争 内定を出し急ぐ企業も

就職情報会社「ディスコ」の調査によれば、18年の採用(19年卒採用)で採用者数を17年よりも増やす企業は36.0%と、減らす企業(17.6%)の倍以上の値に。しかも8年連続で増加が減少を上回る。採用人数を年々増やしているわけではなく、希望する採用者数を確保できないため、毎年採用数を増やさざるをえないのだ。

学生獲得競争は熾烈だ。大阪のサービス業中堅の人事担当者は、「内定を出しても8割以上が他業種に流れる。7〜8月には入社予定者がゼロになることも」と嘆く。今では学生と2〜3回接触しただけで内定を出す企業もある。ディスコ・キャリタスリサーチの武井房子上席研究員は、「内定を出し急いでいる企業が多い印象がある」と語る。