西洋各国で台頭する右派ポピュリズム(大衆迎合主義)は、一過性の流行にとどまらない可能性がある。人口が高齢化する中、政治力学が一段とポピュリスト優位に傾いてきているからだ。

英国で欧州連合(EU)離脱に票を投じたのは、圧倒的に高齢者だった。米国でも高齢者票が決め手となり、トランプ氏が大統領の座を手にした。高齢者の熱狂的な支持がなければ、ポーランドやハンガリーで強権的な右派政党が政権を奪うこともなかっただろう。イタリアでは、極右政党の「同盟」が高齢者の不満を吸い上げ、躍進した。欧米の極右政党で若者頼みなのは、ルペン氏率いるフランスの「国民連合」くらいだ。

来春には欧州議会(EUの主要機関)の選挙が予定される。ここでも高齢者が結果を左右することになるだろう。ある調査によれば、高齢者(中でも低学歴の人々)は、欧州議会やEUに強い不信感を抱いている。高齢者が強権政治家のシンパとなる背景には、EU的な民主主義への反感がありそうだ。