映画『クレイジー・リッチ!』が意外な大ヒットになっている。主人公はアジア系米国人のレイチェルで、米ニューヨーク大学の経済学教授、という設定だ。レイチェルは恋人のニックに誘われ、ニックが生まれ育ったシンガポールを訪れるが、そこで彼がアジア屈指の大富豪の御曹司だったことを知る。お堅いニックの母は、息子が“一般庶民”と結婚するのに猛反対で──というアジアの超セレブ社会を舞台にしたロマンチックコメディである。

主要キャストがすべてアジア系(ハリウッドでは異例中の異例だ)である点も大きな話題になった。舞台のシンガポールは西洋の人間にとってはなじみが薄く、中には、アジアにこんなにもスーパーリッチな世界が存在するのを知って、衝撃を受けた観客もいるだろう。

本作で描かれた目もくらむような大都市と、1940年の『シンガポール珍道中』(ビング・クロスビーらが出演)に登場する掘っ立て小屋だらけの漁村を比べてみれば、シンガポールの発展はいかに急速なものだったかがたちどころにわかる。本作に登場する架空のヤン一族はシンガポールの不動産に早くから投資し巨万の富を築いたというが、それも納得だ。