店は1741年に建てられた避難小屋を改装したもの。草屋根は防寒の役割を果たす

多くの日本人にとってデンマークのフェロー諸島はなじみが薄い。日本を代表する海外旅行ガイドブックの『地球の歩き方』の北欧編に記述はなく、英語のガイドブック『ロンリープラネット』でもフェロー諸島については1ページしか割かれていない。

スコットランドの北端から約300キロメートル、北緯62度付近にあるこの島は人口約5万人にすぎないが、自治政府に加えて独自の通貨がある。

高緯度で日照時間の短いこの島では農耕が難しい。9世紀ごろ、ヴァイキングが入植して以来、人口を上回る羊と恵まれた水産資源が島の人々の生活を支えてきた。

そんな食材の宝庫である島に誕生したのがKOKSだった。

2011年に開店したこの店は、14年に北欧で最高のレストランに贈られるノルディックプライズを獲得、17年にはミシュランの星も獲得し、欧米の有名雑誌がこぞって取り上げている。