9月30日に投開票が行われた沖縄県知事選挙で、辺野古新基地建設阻止を訴える玉城デニー氏が当選し、安倍晋三政権が総力を挙げて応援した佐喜真淳(さきま あつし)氏は敗れた。得票率は玉城氏が55.07%(39万6632票)、佐喜真氏が43.94%(31万6458票)で、約11%もの差がついた。玉城氏は県知事として過去最多の得票をした。投票率は63.24%、当日有権者数は114万6815人だった。

日本の中央政府は、知事選挙を含む沖縄の選挙を植民地の選挙と見なしている。中央政府は、辺野古の新基地建設を強行したい。日米同盟の深化、中国に対する抑止力の確保、朝鮮半島有事への備えなどの口実を中央政府は掲げているが、真の狙いは別のところにあると筆者は見ている。沖縄に対する日本の植民地支配を、新基地の建設によって担保することだ。そのことを、東京の政治エリート(国会議員、官僚)もマスメディア関係者も意識していない。このような無意識の植民地主義に対して、沖縄はいらだっているのだ。

2009年に民主党への政権交代があった。それを受けて、当時の仲井眞弘多(なかいま ひろかず)・沖縄県知事が、辺野古新基地の県外・国外移設を主張するようになってから、沖縄人はヤマトに「まつろわぬ民」になった。中央政府は圧力と懐柔を巧みに織り交ぜて、沖縄と沖縄人共同体を分断しようと画策し、圧力に屈した仲井眞氏は辺野古湾の埋め立てを承認した。ただし、埋め立てに関する防衛省の工法変更を沖縄県が承認しなければ、工事には着手できない状態だった。

14年11月16日に投開票が行われた沖縄県知事選挙では、辺野古新基地建設阻止を公約に掲げた翁長雄志(おなが たけし)氏が当選した。翁長氏が当選したことで、辺野古新基地建設に反対するとの沖縄の民意は確認された。民意に反する政治的決断を知事が行うことは民主主義の原則に照らしてできないにもかかわらず、仲井眞氏は知事任期満了の4日前(同年12月5日)に辺野古湾の埋め立てに関する工法変更を許可した。このように民主主義的手続きを無視する形で、埋め立ては始まったのだ。ここに、沖縄の民意を無視する中央政府の差別的政策が端的に表れている。