10月2日、記念撮影に臨む第4次安倍改造内閣の閣僚ら(EPA=時事)

9月22日号の本欄で、自民党総裁選挙の地方党員票で石破茂氏が安倍晋三総裁に肉薄し、沖縄県知事選挙で野党系候補が勝てば、安倍政治の「終わりの始まり」のスイッチが入ると書いた。実際、これら二つのことが起こり、政治の先行きはにわかに混沌としてきた。

安倍首相のつまずきは、敵対する者を完膚なきまでにたたき潰すためにあらゆる権力を使うという強硬姿勢に起因している。選挙は権力闘争なので、力ずくで勝ちたいという欲望が出てくるのは仕方ない。それにしても、敵と味方の間に存在する中間的な有権者も投票に参加する以上、これらの人々の間に「やりすぎ」とか「品がない」という反発を生むような手法を取れば、強硬策は有害にもなる。

地方党員45%が反発

総裁選では、公明正大な政策論争を回避して陰湿に石破支持者を追い詰めるやり方が、地方の党員の45%の反発を招いた。沖縄では、翁長雄志(おなが たけし)知事時代に辺野古基地建設をめぐって問答無用の姿勢を貫いたうえに、今回の選挙では菅義偉官房長官や二階俊博幹事長、小泉進次郎氏を投入し、企業団体を厳しく締め付ける運動を展開した。与党系候補は携帯電話料金の4割値引きという地方選挙には場違いな公約を繰り出した。沖縄県民はこうした“上から目線”の政治手法に厳しく反発したといえる。

安倍首相は自民党の国会議員をほとんどイエスマンにすることはできたのかもしれないが、国民や一般党員をすべてイエスマンにすることはできない。それが民主主義である。