トランプ大統領が指名したカバノー最高裁判事候補をめぐり、デモが起こるなど反対の声が広がった(AP/アフロ)

9月26日の日米首脳会談後の記者会見において米国の記者団は、日米が合意した物品貿易協定(TAG)の協議入りなどには関心がなく、最高裁判所判事候補のブレット・カバノー氏のセクハラ疑惑についての質問をトランプ大統領に浴びせかけた。

女性二人(その後さらに一人が加わった)がカバノー氏のセクハラ被害者として名乗りを上げたことについて、「民主党による詐欺(コンゲーム)」とトランプ氏が発言したことで、カバノー問題はさらに火が大きくなっていた。大統領は民主党がどこからともなくいいかげんに女性を探し出しているとして、「誰に対してもそのような嫌疑をかけることができる。ここにいる安倍晋三首相は別だが……。彼は純粋だから」と発言。他国の首相を国内の泥仕合に巻き込みかねないトランプ発言は、外交儀礼に失している。

トランプ氏は前日の国連演説で、自分は「過去の多くの大統領が成し遂げなかったことを実現した」と自慢げに演説し、会場から失笑された。これに対して「聴衆は自分を笑ったのではない」と強弁し、反トランプの米国民をあきれさせた。

11月の中間選挙をにらむ大統領にとって、カバノー氏の指名承認は重要な課題だ。さすがに共和党支持者の一部にも、トランプ氏の倫理観の欠如や、国内経済に打撃を与えかねない追加関税に対して不満や危惧がある。それでも保守派と高所得者の多い共和党支持者にとって、トランプ氏は魅力的な人物である。