「課金額は13カ月で32万円になっていた」と語るのは30代男性のAさん。ソニーの音楽事業傘下、アニプレックスが配信するスマートフォンゲーム『フェイト/グランドオーダー(FGO)』の熱心なプレーヤーだ。歴史好きのAさんは、国内外の神話や歴史を原典にしたキャラクターが登場するこのゲームに、すっかりはまっている。「シナリオが次から次に追加され、ゲーム内でのイベントも多いから、まだ飽きないかな」(Aさん)。

アーサー王やジャンヌ・ダルクがキャラクターとして登場(©TYPE-MOON / FGO PROJECT)

大ヒットのスマホゲーム ソニーに利益400億円

2015年7月に国内配信が始まり、現在は12の国と地域で展開されるFGO。推定売上高は17年度で1000億円弱。今年1~6月のスマホゲーム課金売上高は『モンスターストライク(モンスト)』を抜き、初めて国内首位に躍り出た。FGOの大ヒットを受け、配信元のアニプレックスは純利益が急拡大。ソニー本体にも400億円近くの営業利益をもたらした。

FGOはゲームのダウンロード自体は無料。おカネをかけずに遊べる。だが、一つ120円の「聖晶石」と呼ばれるアイテムを購入し、「ガチャ」(有料くじ)を引くと、新たなキャラクターやその装備を手に入れることができる。同ゲームの月間アクティブユーザー数は400万人超。1人当たり年間2.5万円弱をアイテム購入につぎ込んでいるとみられる。

FGOは、ゲームブランド「TYPE-MOON」が04年に発売した成人向けPCゲーム『フェイト・ステイナイト(フェイト)』が原作だ。その販売本数は約20万に過ぎないが、熱狂的なファンが育った。「FGOでは彼らが積極的にアイテムを購入し、プレー状況をツイッターなどのSNSで発信したことが宣伝となり、新規ユーザーを呼び込む好循環が生まれた」(ゲーム業界に詳しいエース経済研究所の安田秀樹氏)。あるユーザーは「ガチャを引いて珍しいキャラが出たらツイッター上で自慢できる」と話す。

アニプレックスはアニメ制作が本業の会社。なぜスマホゲームを配信するに至ったのか。