「死ぬときぐらい好きにさせてよ」。読者に死生観を問いかけた出版社の企業広告が印象的だった樹木希林さんの旅立ち。がんとともに10年以上暮らしながらも、亡くなる前々月まで仕事を続けた。マネジャーを持たない希林さんは仕事の依頼はすべて自宅のファクスで受け、料金交渉からスケジュール管理まで一人でこなし、撮影現場には最後まで自身で車を運転して向かっていた。わが道を貫き通す強さには驚きである。

希林さんのしなやかな様子に、自分もああなりたい、いや自分には無理だ、とその時に直面する自身の姿に思いを巡らせた人も多かったのではないか。希林さんの生き方の確かな魅力の一つは、がんという病を患いつつも、健康寿命を全うした、ということではないか。

人生締めの12年 日常生活に制限も