日本は11月の米中間選挙より前に日米貿易交渉の妥結を急いだほうがいいのか、選挙後まで時間稼ぎすべきか。交渉を担う茂木敏充経済再生担当相はジレンマに陥っていた。結局、日本は「物品貿易協定」の交渉入りで合意し、トランプ大統領の攻撃をかわした。米国の法手続き上、交渉は年明けになりそうだ。

トランプ氏は中間選挙前に勝利宣言しようと躍起だ。実質的な中身より派手に宣伝できる象徴的な成果をほしがっているため、日本は環太平洋経済連携協定(TPP)で合意したのと同じ農産品の市場開放を米国に差し出すことで、「25%の自動車追加関税」の脅しから日本を除外してもらうことができるかもしれない。

これと似たケースが、今年3月に大筋合意し、先日署名が行われた米韓の貿易交渉だ。韓国は鉄鋼対米輸出の3割削減をのまされたほかには、実質的な譲歩を行わずに済んでいる。たとえば、米自動車メーカーは米国の安全基準さえ満たせば、そのまま韓国に1社当たり5万台まで輸出できるようになる。従来の倍の台数だが、これまで韓国に1.1万台以上を輸出したことのある自動車メーカーは、米国には存在しない。