7月6日、開発中のアルツハイマー病治療薬の臨床試験(治験)第2相18カ月の最終解析結果が良好だったとエーザイが発表し、世界を驚かせた。

8カ月前には同じ薬の12カ月中間解析で主要評価項目を達成できなかったと発表したばかり。しかも欧米メガファーマの認知症薬開発は失敗の山という惨状だからなおさらだ。

アミロイドベータ(Aβ)が脳内に沈殿して神経細胞を殺し、認知症を引き起こすと見るのがアミロイド仮説。いま開発中の認知症薬の大半はこの仮説に基づいている。エーザイの薬もその1つで、標的とするAβの凝着体にくっつき除外する抗Aβ抗体を使うタイプに属する。

7月6日の同発表文の冒頭には、「統計学的に有意な症状の悪化抑制と脳内Aβ蓄積の減少を証明」「アミロイド仮説を実証する画期的な結果を取得」とあり、これが本当なら、まさに製薬の世界を一変させる大事件だ。

7月下旬には米国シカゴで開かれたアルツハイマー病の国際学会で、ついにこの薬のデータ解析結果が明らかになった。

これによれば、この薬を2週間に1度、被験者の体重1キログラム当たり10ミリグラムの最高用量を投与した被験者群では、プラセボ(偽薬)投与群に比べ、30%の症状進行抑制効果を確認した。最高用量投与群では脳内アミロイド蓄積量(実測値)も平均74.5だったものが平均5.5となった。

期待の一方、疑問の声も